こんにちは、新卒就活アドバイザーのSINOです。夏休みに向けて多忙な日々を送っている就活生の関心ごとといえばインターンシップの参加でしょう。ところで、インターンシップにおけるルールが25年度卒から変わっていることをご存じでしょうか?
このルール変更を知っているか否かは、就活生がインターンに挑む「姿勢」や「パフォーマンス」にも影響してくるでしょう。内定への距離にも大きな差が生じてくる可能性があります。ここでしっかり理解してインターンを効果的に活用し、内定へつなげて欲しいと思います。
以前はインターンシップはあくまで「キャリア教育」が目的とされていました。キャリア教育が目的ということは、つまり、これまではインターンシップで得た学生の情報を企業は採用活動(選考の評価として)に使うことはNGだったということです。
それでも水面下で、企業はインターンに参加した学生の情報を「本選考に活用」していた可能性もあったかもしれないのですが、それはさておき、25年卒からはインターンのルールが改定で、一定条件を満たせばインターンで得た学生の情報を採用活動に活かして良いことにとなり、企業は正々堂々とインターンに参加した学生を評価し、採用活動に活かせることになりました。つまり、インターンが採用と直結するものになったということです。これは、文部科学省、経済産業省、厚生労働省が新たに打ち出した方針です。現在、企業はそのルールに則ってインターンシップを実施しています。
目次
25卒からインターンルールが変わっている(具体的な変更点)
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インターンシップで得た学生情報の採用での活用
- 【旧ルール】: インターンシップで得た学生の情報(評価など)を採用活動に使用できなかった
- 【新ルール】: 一定の条件下であれば使用しても良いことになった
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インターンシップのタイプ分け
- 【旧ルール】: 明確なタイプ分けはなく、すべてが「キャリア教育」として扱われていた
- 【新ルール】: 「オープン・カンパニー」、「キャリア教育」、「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」、「高度専門型インターンシップ」の4つのタイプのインターンシップに分類した
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実施期間と条件が与えられた
- 【旧ルール】: インターンシップの期間や実施内容に関する具体的な条件は少なかった
- 【新ルール】: タイプごとに具体的な期間が設定された
例えば、汎用的能力インターンシップは最低5日以上、専門活用型は2週間以上が設定され、現場の社員による指導やフィードバック、長期休暇中の実施などの条件が追加された。
企業の人事は、インターンシップで得た学生情報を採用活動に活かせるようになりました。接点を持った学生と距離を縮め、人柄や適性などを知り、それを採用活動の情報として正々堂々と活用することができます。インターンに参加してくれた優秀な学生や好感度の高い学生は「次につなげてウチの会社に来てくれたらいいな」と思うのは、どの会社の人事も同じなのです。
インターンシップのルール分け4タイプ
新しいルールでは、企業のインターンシップは以下の4つのタイプに分類されています。
1)オープン・カンパニー
(このインターンシップで得た学生情報を企業は採用活動には活用できない)
企業説明会や職場見学を通じて、業界や企業に関する情報提供を行うプログラム。これは学生の業界・企業理解、仕事理解に繋がります。
2)キャリア教育
(このインターンシップで得た学生情報を企業は採用活動には活用できない)
主に大学1、2年生を対象に、「働くとはどういうことか」や「自分らしさとは何か」といったテーマを考えるプログラム。大学で行われるキャリア教育の授業や企業の社会貢献プログラムが該当します。実施期間はプログラムによってさまざまで、就業体験は企業によって任意で行われます。
3)汎用的能力・専門活用型インターンシップ
(このインターンシップで得た学生情報を一定の条件下で企業は採用活動に活用できる)
大学3、4年生と大学院生向けのプログラムで、さまざまな仕事に共通する能力や専門スキルを見極めるためのインターンシップで短期のものは5日以上、専門性を重視する場合は2週間以上の期間実施する必要がある。就業体験も必須で行われ、現場の社員が指導した上で、フィードバックをする必要があるといった要件も課されています。
4)高度専門型インターンシップ
(このインターンシップで得た学生情報を一定の条件下で企業は採用活動に活用できる)
修士課程、博士課程向けのプログラムで、高度な専門スキルを活用するインターンシップ。こちらも2カ月以上の長期のインターン実施が求められています。就業体験も必須で、現場の社員が指導した上で、フィードバックをする必要があるといった要件も課されています。
採用活動と直結するインターンはこの2つ!
●汎用的能力・専門活用型インターンシップ
●高度専門型インターンシップ
この2つのタイプのインターンに参加した場合は、課題に取り組んでいる姿勢や態度で人柄やスキルなどをチェックし、企業は採用情報としてキープをする可能性が高いでしょう。実際の業務体験を通じて能力をチェックできる機会は、人事採用としては貴重なのです。就活生はそのことを心得たうえで参加して、内定に繋げましょう。
あのインターンシップはどのタイプ?
それぞれどのタイプのインターンシップなのかを学生目線で詳しく説明しておきます。
ワンデーインターンシップは「オープン・カンパニー」
ワンデーインターンシップは、「オープン・カンパニー」タイプに該当します。学部生・大学院生・学年問わない参加対象となっており、企業説明会や職場見学を通じて、業界や企業に関する情報提供を行うプログラムです。企業は学生の情報を採用活動で活用してはいけない決まりになっています。
3日程度の体験型インターンシップ
3日間程度の体験型インターンシップは、「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」に該当。本来は5日以上が条件ですが、実際の業務体験を通じて学生の能力を評価する要素が含まれているためです。このインターンに参加した場合、学生の情報を本選考の採用情報として企業が活用する可能性は高いと思います。
技術系インターンシッププログラム
理系学生向け技術系インターンシッププログラムは、「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」に該当します。5日間(日数は企業によりまちまち)のプログラムで、専門的なスキルを評価する要素が強いため、インターンに参加した学生の適性など人事情報を、採用活動に活用すると思われます。
インターンでの評価が採用に直結する!
以前は、就活生がインターンシップに参加して優れた成果を挙げたとしても、企業側に制限があったため、その学生の情報を企業がキープして採用活動に直接結び付けるということができませんでしたが(水面下ではしていたかもしれません)、ルールが改正したため、これからは一定のルールを満たせばOKになったのです。つまり、もはやインターンで好評価を得られた学生は、その企業への内定が近づく可能性が高いということです。インターンシップは企業にとって、より適切な人材を見つけられる場所になりました。企業と学生の両方にとって、マッチング精度を高められる絶好な機会です。このことを念頭に置いてインターンに参加しましょう。そうすれば、より良いパフォーマンスを発揮できるはずです。「とりあえず参加」の学生と当然大きな差が生じるでしょう。ルール変更以降は、もはやインターンシップは採用プロセスの一部になっているのです。
今回のルール改正でインターンが4つのタイプに分かれ、そのうちの2つのタイプが企業が採用に繋ぐインターンであると説明しましたが、企業がこのルールをどこまで遵守するのか、実際のところは不透明です。どの企業も魅力的に映る学生は同じ人材で、そういう学生と早いタイミングで出会えるインターンです。「うちに来てくれないかな」と思うのは心情です。結局、どのタイプのインターンシップでも、人事の人の心に残る学生は、脳裏に残るものなのです。ですので、どのタイプのインターンでも、熱意をもって誠実な態度で挑むようにしてください。
最後に
インターンシップはもはや「単なる職業体験」ではなくなりました。参加学生に対して、採用選考の目を注いでいます。その目的を知っているのと、知らないのでは大きな違いです。就活生にとっては自分のスキルや適性を、インターンの段階で企業にアピールできる可能性があります。とくにタイプ3の汎用的能力・専門活用型インターンシップやタイプ4の高度専門型インターンシップには、積極的に参加してください。私は学生が持参するインターン参加のためのエントリーシートの添削をするのですが、インターン用のESが以前より記入欄が増え、問いが難しくなっている印象です。インターンが採用に直結しているのだなと思える内容です。このようなインターンに参加する場合は、すでに企業研究を深めてあることが必須になります。企業研究の方法について、他の記事にも載せておきますので読んでおいてください。25年卒以降の就活生は、インターンシップが早期内定への近道になる可能性が大きくなりました。就活の本番と同じ姿勢で臨み、チャンスを最大限に活かすことで、早期内定を目指しましょう。
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