こんにちは、就活アドバイザーのSINOです。就活生の多くが「自己PR」を作成する際、「自分らしいオリジナルの強みがなかなか見つかない」と悩んでいます。就活生が持参した自己PR文章を添削してみると、エピソード自体は確かにその人のオリジナルなのですが、総じて魅力に欠ける内容になってしまっている人が多いです。
面接官から好印象を受けて、内定にたどり着くためにも、エントリーシートも面接も、他の人と同じではなく自分らしいピーアールをして、自分のことをより魅力的に伝えたいですよね。
ここでは「どうしても平凡な内容に落ち着いてしまう」という自己PRづくりの悩みについて、その解決法を具体的にアドバイスしていきますので、自分のエントリーシートや履歴書の自己PRを再確認してみてください。
目次
「人と被るエピソード」になる理由をまずは理解する
そもそも、なぜ人と被るのか?魅力的でないのは何故なのか?を理解することが大事です。
自己PRの冒頭の部分を見てください。
私はチャレンジ精神があります。
私は最後までやり遂げることができます。
私の強みは積極的に行動することです。
このように抽象的な強みを1行目に書いたそのあとに… 自分がやってきた経験を終始述べる。
つまり「強み」を最初に述べたあと、すぐエピソードにつなげているパターンです。話のほとんどが「エピソード」を話して、学んだことを書いて終わりになっているのです。
「私は○○○が強みです、こんな経験をしてきたのですから。だから○○○が強みなんです。」
イメージ的にはこのような感じです。聞いている側としては、自己PRというより就活生の「経験談」と「自慢話」を聞いているという印象を受けます。
強みのあとエピソードがすぐにくるのはNG!
文章のほとんどが「エピソード」はNGです。あなたの魅力が面接官に伝わらないからです。
【NG例】「わたしの強みは積極性です。わたしはテニス部に所属し2年間部長を務めていました。そこでは・・・を行いました。(エピソードが続き)・・・結果、県大会で2位になることができました。社会人になってもこの経験を活かし~~~~~したいと思います。」
この人がこれまでテニス部で部長を務めていたこと、県大会で2位という成果を出したこと、自分の強みは積極性だと自分ではそう思っていることが伝わりますが、人柄がわかりません。
「なぜその部活に所属したのか?」
「どういう経緯で?」
「なぜ部長を務めることになったのか?」
「部長としてどのような気持ちでメンバーと接していたのか?」
などなど、採用側がいちばん聞きたいポイントが抜け落ちているのです。相手は社会人です。この人がウチの会社に入社しただ、どのようなことを考えて仕事をするだろうか、どのような姿勢で仕事に向かうだろうかなど、その人の未来の姿を想像しながら自己PRを聴いているのです。
私が面接官だったらこの人は好印象だなというポイントが特にないので、さらに突っ込んでいろいろ質問してみるかもしれませんが、この段階では「この人を採用したいな」という気持ちには至っていません。もし、難易度の高い企業を受けるなら、自分から大事なことをモレなく伝えられる人でなければ、書類審査で落とされる可能性があります。
面接官が知りたい「人間性」を伝えなければ自己PRとして浅い
学生時代に行った出来事や功績がいくら素晴らしくても、「自分なりの考えや想いを伝えよう」としている文章でなければ、あなたの人間性も性格も、相手に伝わることはありません。
実際に「なかなかエントリーシートが通らないんです。」と悩んで相談に訪れる就活生のESを確認してみると、ほとんどの人は「人間性が伝わらないES」を書いて提出してきた人です。
どんなに学業が優秀でも、ボランティア活動に力を入れた人でも、その経験談だけで企業がその人を採用するということはありません。重要なのは「魅力的な人だな」と感じてもらえる「人間性」をピーアールする文章をつくることが必須になります。
魅力的な人間性が伝わる自己PRをつくろう!
まずは自分自身を深く理解して、強みを主張し、考えを述べ、具体的なエピソードを通じて自分の強みや価値観を明確に伝えることです。論理的に伝えるため、PREP法を活用しながら独自の視点や学びを盛り込み、魅力的かつ人間性が伝わる、あなたらしい自己PRを作成しましょう。
魅力的な「あなただけのピーアール」を作成する!
人と被らない印象的な自己PRをつくるには、あなたの個性や経験を具体的に、そして独自の視点で表現すればよいのです。印象的な自己PRをつくるために、以下のポイントを押さえてください。
■ポイントは抽象的な表現をなくす!
抽象的な表現をなくすことで人と被らないピーアールができます。人の考え方は十人十色。同じドラマや映画を見てもその感じかたや思うことはひとりひとり違うはずです。「あなたはなぜそう思うのか?」そこを丁寧に具体的に表現してみてください。そうすれば人と被らないPRになります。
■説得力を持たせる書き方の順序(PREP法)
①まずは結論から
②なぜそう考えるに至ったのか
③裏付けるエピソードを具体例を挙げて伝える
④最後にまとめと今後への意欲を伝える
あなたらしい魅力的な自己PRを作成するためのStep by Step
ステップ1【P】1行目(出だし)の表現をわかりやすくする
出だしの1行目は主張です。ここが抽象的だと全体がぼやけます。
できるだけ抽象的な言葉を使わず、印象に残るような表現を使ってみてください。
下記に例をあげてみます。
ステップ1【P】エピソード例
【例】 ✖ 私の強みは忍耐力です。
〇 私は継続的な努力ができる人間です。
ステップ2【R】2行目 自分の考え方や姿勢をしっかり文章に折り込む
面接官が聞きたいのはあなたが何を考え、どのような姿勢でその行動を起こし、目の前の問題や課題に取り組んできたのかです。そこを意識して自己PRをつくりこみます。
このステップ2を飛ばして、ステップ1の主張のあとエピソードに飛ばないこと。
ステップ2は必須です。PREP法で言えば【R】の部分になります。ここは最初の主張【P】をさらに深める「理由」もしくは「姿勢」もしくは「考え方」を書いてください。
ここが書かれていない自己PRは、自己PRの内容に説得力に欠けるものになります。ステップ2 主張を支える「理由・考え方]「姿勢」を述べる
ステップ2【R】自分の考え方や姿勢を織り込む
【パターン1】 主張【P】私は自分から率先して物事に取り組みます。
姿勢【R】指示を待つだけでなく自分から進んで行動を起こすように心掛けています。
【パターン2】 主張【P】私は継続的な努力ができる人間です。
理由or考え方【R】そうすることでしか得られない達成感があると思っています。
ステップ3【E】エピソードにつなげる
主張と理由/考え方/姿勢をエピソードで補強するためのエピソードをつくります。
目的が逸れていかないように注意してください。簡潔に、かつポイントを押さえて書いてください。「あーしてこーして、こうなったら、あの人がこー言って、そうしたらこうなった。」など詳細に書きすぎると目的を見失いますので注意しましょう。
主張したこと(強み)が、結果どのように成功につながったか、具体的な状況と結果を述べます。
その状況でどのように感じたか、どのように考えたかも述べることでエピソードが深みを持ちます。エピソードから得た教訓や自身の成長について書きます。
【考え方として:たとえば留学に行ったエピソードを語るならポイントはここ!】
これらはすべてあなた独自の考えや価値観から出るものであり、他者と被ることはありません。
✔ なぜ留学に行こうと思ったのか
✔ 留学先でなにを学んだのか
✔ そこで何を考え、どう行動したのか
✔ そこではどんな苦労があったのか
✔ その時何を思い 困難をどう越えたのか
✔ 結果どのような成長があったのか
ステップ3【E】エピソード例
私は高校時代からこれまで9年間、サッカーチームに所属しています。現在でも毎週5日の練習を続け、試合のために戦略を練り、チームメイトとともに日々努力を積み重ねています。その結果、私たちのチームは地区大会で優勝することができました。この経験を通じて、継続的な努力が大きな成果をもたらすことを実感しました。途中で挫けそうになることもありましたが、友人や家族のサポートを受けて最後まで頑張ることができました。この経験から学んだことは、どんなに困難な状況でも諦めずに努力を続けることの重要性です。
ステップ4【P】まとめる
行動の結果、どのような成果が得られたのかを説明する。そして、そこから何を学んだのか、その経験を社会に出てどのように活かすのか出締めくくる。
ステップ4【P】まとめる
この忍耐力と持続力は、社会に出ても役立つと考えています。仕事においても目標に向かって粘り強く継続的に取り組み、貴社で成果を上げるために努力します。
全部繋げるとこうなります
私は継続的な努力ができる人間です。そうすることでしか得られない達成感があると思っています。私は高校時代からこれまで9年間、サッカーチームに所属しています。現在でも毎週5日の練習を続け、試合のために戦略を練り、チームメイトとともに日々努力を積み重ねています。その結果、私たちのチームは地区大会で優勝することができました。この経験を通じて、継続的な努力が大きな成果をもたらすことを実感しました。途中で挫けそうになることもありましたが、友人や家族のサポートを受けて最後まで頑張ることができました。この経験から学んだことは、どんなに困難な状況でも諦めずに努力を続けることの重要性です。この忍耐力と持続力は、社会に出ても役立つと考えています。仕事においても目標に向かって粘り強く継続的に取り組み、貴社で成果を上げるために努力します。
自己ピーアールを話すときのポイント
① 「はい。」スタート
「自己ピーアールお願いします」と言われたら、「はい。」とまずは返事をしてから「わたしは、・・・・です。」
と言葉を続けましょう。「はい。」と元気に答えてから話し始めるという流れは、とても好印象です。
話し方を意識するだけで、印象は大きく変わります。面接においては答え方が大切です。
②自分の考えを自分のことばで伝える
文章を暗記して覚えてくるのではなく、自分の言葉でしっかりと相手に伝える事を意識しましょう。あなたの話を聴きにきてくださる面接官の方々に敬意を持ち、自分のことを聞いていただくという気持ち話をすれば自然と言葉は出てくるものだと思いますし、かならずその気持ちが伝わります。
③最後は「話をまとめる」という意識をもって
最後は将来の展望や社会人になる心構えを書きましょう。一行目に書いた自分の強みや考え方を、社会人になってからさらに磨き、仕事に取り組んでいく姿勢などをアピールすると良いでしょう。
まとめ
人の考え方は十人十色で、同じアニメを見て全員が「おもしろい」と思ったとしても「おもしろい」と思った「理由」や「考え方」は違いますよね。人にはそれぞれ違う過去がありますし、価値観も異なりますから、人と全く同じというほうがむしろ奇遇かもしれません。そう考えてみると、自己PRが他の人と被ることはおかしいことだと思いませんか?
自分の考え方をしっかりと深掘りして表に出してみること(自己理解)がまずは肝心で、そのことを相手に伝えることに意識して文章を書き、面接では話ができるようになれば、あなたらしさが自然と魅力的に伝わってくるはずです。就職活動を成功させるうえで、自分なりの考えをもつことはとても重要ですが、社会人になってもこのスキルは人とコミュニケーションを図るためにとても重要です。これからは話す内容のなかに自分の考えをつけ加えてみる癖をつけてみてはどうでしょうか。そうすると具体的であなたらしい魅力的な会話となり、相手との良い関係構築ができるようになりますよ
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