こんにちは、新卒就活アドバイザーのSINOです。グループディスカッションは大手企業において選考の一環としてよく取り入れられています。中堅企業で約20%、大手企業では約38%が採用しているといわれており、企業の規模が大きくなるほどその傾向が強くなります。
今回はグループディスカッションを控える学生から「役割には付いたほうがいいですか?」という質問をよく受けるので、このことについて説明したいと思います。グループディスカッションの選考を通過するために必要な姿勢や、考え方など、採用側の視点や評価ポイントを詳しく解説しますので、これからグループディスカッションに参加するという人は、きっと参考になると思います。
目次
見られているのは『チームで働く力』
グループディスカッションにおいての選考は、通常5~6人を1グループとして、複数のグループを同時進行で行うのですが、そもそも、グループディスカッションにおける採用側のジャッジポイントはどこなのでしょう。基本的には、個人面接やグループ面接では判断することができない 『チームで働く力』 を見て評価をしていると考えてください。
経済産業省が提唱する「社会人基礎力」では、チームで働く力として次の6項目を能力要素としています。選考する際に人事が見ているポイントとほぼ一致しているので、就活生は覚えておいたほうが良いです。
◼️発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力
◼️傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力
◼️柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
◼️情況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
◼️規律性:社会のルールや人との約束を守る力
◼️ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力
このほか、発言内容における独創性や論理性、分析力や知識といったような個人能力も見ながら評価していきます。
指示がなくても、役割を決めたほうがいい!
グループディスカッションを進めていく際には4つの役割があります。
グループディスカッションを行う際には、まずこれらの役割を明示されて、グループ内で担当を決めてからスタートするという流れになりますが、なかには、とくに役割を分担する指示がないまま「テーマ」を与えられ、ディスカッションがスタートするということもあると就活生から聞いています。もし、あなたが参加した企業のグループディスカッションで とくに担当を決める指示がなかった場合でも、話し合いをスタートする前に役割を決めることをおすすめします。その理由は、これらの役割を自発的に決めることで、ディスカッションが効率的に進行し、全員が積極的に参加できる環境を作ることができるからです。さらに役割を明確にすることで、企業が求める「チームで働く力」をひとりひとりが効果的にアピールすることが可能になるためです。こういった点も、採用側が着目するポイントになります。
【グループディスカッション主な役割】
●司会進行(ファシリテーター)
ディスカッションの進行を管理し、全員が意見を述べられるように配慮します。
●書記
議論の内容や重要なポイントを記録して議論の進行をサポートします。
●タイムキーパー
議論の進行時間を管理し、時間内に結論を出せるようにサポートします。
●発表者
ディスカッションの結果をまとめて最後に発表します。
司会進行役がいちばん評価高いのか
司会進行役はとても重要な役割ですが、他の役割よりも評価されやすいということではありません。書記、タイムキーパー、発表者もそれぞれの役割を果たすことで同等の高評価を得ることができます。就活生のなかには「司会進行役に立候補することでリーダーシップをアピールできる」と考えている人もいると思いますが、一概にプラス評価になるとは言えません。
重要なのは、役割に立候補することよりも、与えられた役割をいかに効果的に果たすかです。大事な役割を担っていても、メンバーの議論をうまくファシリテートできなければ逆にマイナスイメージを与えてしまうことになってしまうかもしれません。
グループディスカッションは、見ず知らずの学生同士でグループを組みます。個々の考え方もわかりませんし、どのような対人行動をとる人なのかもわからない初対面のメンバーの意見をまとめるということは、気心の知れた仲間をまとめるのとは違います。ですので、とても難しいことです。その前提を踏まえたうえで、その役に立候補するかどうか、決めてください。
役割に付かなければどう評価されるか
グループディスカッションの評価ポイントは役割に付くかどうかではありません。どの役にも付かないからといって不合格になるわけではないのです。
「進行役でも、書記でも、タイムキーパーでも発表者でもない、役割のない自分は合格できないんじゃないか…。」そんなふうに思って落ち込んでしまう就活生もいますが、グループディスカッションに参加する前の心得として私がアドバイスしておきたいことは、ただひとつ。
「いまあなたがそのチームのために出来ることはなんですか?」
あなたがチームに貢献できること
グループディスカッションでは、全員がひとつになって時間内に結論を出すことが重要です。
そのために自分がチームのために出来ることを考え集中してください。役割が何もなくても心配しないで大丈夫です。そんなことよりも、あなたはあなたなりの役割を瞬時に考え、チームの力、活力となるように努力することが大事です。そうすれば、きっと良い評価につながります。
チーム全員がひとつになってより良いディスカッションになるために、あなたが考え、実践すればいいのです。
例えば、各役割の人のサポートをする、消極的なメンバーに声をかける、独創的なアイデアを出したり、局面を打開する新しい視点を提示する、そんなことも評価につながると思います。
このようにチームに貢献しようと努力をしている人の姿勢や行動は、特別な役割がなくても目立ちます。役割を与えられずとも、自分がチームのためにできることは必ずあるはずなので、それを見つけてください。そして、グループのメンバー全員と協力し合い、与えられた課題をクリアすることに集中する、ただそれだけ。
グループメンバーはライバルではない
そしてもうひとつ、グループディスカッションにおいてとても大事なことがあります。
それは、『同じグループのメンバーを敵だと思わないこと!』
運命共同体だと思ってください。
全員がまとまり時間内に与えられた課題に対して結論を導き出すことに集中すること。
それがグループディスカッション通過のカギです。
高評価を得られる人はどんな人?
グループディスカッションでは具体的にどのような人が高評価を得られるのかをまとめました。企業によってさまざま評価のポイントは異なるとは思いますが、どの企業も主に下記の点に着眼しているかと思います。
【グループワークで高評価を得られる人】
●大きな声ではきはきと、自信を持って発言する人
●話している人の意見に身体を向け、耳を傾けている人
●意見の根拠をきちんと伝え、説得力のある話し方をする人
●時間内に結論をだすことに注力し、チームに貢献する人
最後に
1つのグループから次の選考に進めるのは1人や2人と決まっているわけではなく、グループ全員が選考を通過できるケースだってあります。重要なのは役割につくかどうかではなく、あなた自身の役割をしっかり果たしてチームで働く力と個人の能力の両方を示すことです。同じグループの仲間が一致団結して、り良いディスカッションになるためにあなたがチームに出来ることを考えて努力すれば、きっと良い評価につながります。自信を持ってがんばってください。
コメント