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自己分析が深まらないあなたへ
自己分析が深まらずに悩んでいる就活生へのアドバイスです。就活で「自己分析」は必須です。エントリーシートに自己ピーアールを書いたり、面接では面接官に強みや弱みについて話さなければいけないのに、いまひとつ自分についてよくわからない…、と悩んでいる就活生はかなり多い印象を持っています。
私は現役の就活アドバイザーです。かつては企業で長年働いてきました。役員サポート業務を行ったり、人材を育てていた経験や、コンサルティング接客ををしていた経験もあるので、そういった現場での生の実例をシェアしながら、これから社会に出る就活生の育成のため、いまはこの仕事をしています。
自分で自分を理解するということは難しいことです。自ら自分を知るには限りがありますから、私だって自分のすべてを理解しているわけではないです。もしかしたら、親しい友人や職場の人、家族がいちばん私を知っていて、自分自身がいちばん知らないかもしれません。だから自分で自分をすべて理解しようというのは無理なのです。
あなたは他人から自分がどのように見えているのか、意識したことがありますか?
無意識な他人からの目線を理解することは「自己分析」するうえでとても重要です。面接官はあなたにとって「他人」です、つまり、面接であなたは他者目線を浴びるということになります。就職活動は自己理解の深さが内定を獲得するためのカギになり、面接の質問では、色々な切り口で自己理解できているかを問われます。
「この人は自分についてをどれくらい理解しているか?」
面接官は長所や短所を聞きながら、仕事に取り組むときのあなたの姿を想像してくるので、あなたは自分について、「色々な角度で」知っておかなければならないということです。
✔ 自分のことがよくわからない人
✔ 自己理解をもっと深めたい人
こういう就活生はいますぐに「他己理解」をしましょう。自分のよいところや短所など性格や行動をほかの誰かに聞いて客観的に自分を理解することを「他己理解」といいます。たった一人で行う自己理解は主観的な視点が入りがちで限界があります。他者目線の自分を知ることで、気づいていない自分の良いところや短所、性格や行動を理解することができますので、それを加味して自己分析してください。自分を客観的に理解することは自己理解において最も重要です。
効果的な自己理解の深め方【他己分析で理解を深める】
『自己』と『他己』両方の自分を理解することで、本当の意味での自己分析が成り立ちます。「他己分析」とは、他者に自分の特徴について質問し、人から見たあなたの印象や評価を知って自己理解に役立てること。他己分析は、自己分析と対立する概念というものではなくて、自分についてより深く知るための、自己分析の手段の一つです。他己分析とはどのようなメリットがあるのか、では実際に誰に協力してもらえばいいのか、どんな質問をすればよいか、その結果をどう就活に生かせばいいのかをまとめました。
他己分析を行うメリット
①客観的な視点で自分のことを知ることができる 自分の知らない新たな気づきにつながる可能性があります。本当の自分と向き合えるチャンスです。良いことだけでなく、そうでないことも、すべてあなた自身です。でも気づくことが大切なので短所にも気づけることは大きなメリットです。
②過去にさかのぼって自分の成長をフィードバックできる 自分の育った環境や、どんな出来事があったのか、そのときどういう行動をしたのか、どんな機能(能力)があるかなど、を掘り下げて確認してみます。
③面接で説得力が増す 自分情報を整理して分析し、自分がどのような局面で能力を発揮するのかなど、周囲の人の声が加われば、さらに説得力が増すピーアールができるようになります。就活の面接では、自分をいかに客観的に捉えて相手に伝えられるかがポイントです。他己理解ができればめ。
④自分の特性がさらに強固なものとなる 自己の評価と、他人から見た評価が同じだった場合、その自分の特性はより強固なものとなります。反対に自分はこうだと思っていたのに、他人からは全く異なる自分が見えている場合もありますので、自己の認識とズレていないかどうか確認できることもメリットです。
⑤面接対策にもなる 身だしなみや癖など改善した方が良いところを、きちんと指摘してもらいましょう。面接官は初対面の人です。面接官の視点でしっかり評価してもらうと良いでしょう。
他人からみると長所になっていること、逆、に自分では長所と思っていたところがマイナスに捉えられていることもあります。己と向き合って、「なぜそのような結果になったのか」を検証し、そのギャップを把握することは就活のみならず、あなたの今後にとっても大事なことです。
いずれにしても、就活の自己分析としては、「自己理解&他己理解」それぞれの評価を合わせて整理することで、より説得力のある自分を面接官に語ったり、エントリーシートに書くことがきるようになると思います。
できるだけ様々な人から複数話を聴くのがおすすめ
では、実際にどんな人から話を聴けばいいのか?ですが、「両親」や「親せき」「友人」、「交際相手」「大学の先輩や後輩」、「アルバイト先の人」など、年齢や立場が異なる、いろいろなタイプの人から複数話を聞くことをおすすめします。
とくにアルバイト先の店長や、研究室の先生、キャリアアドバイザーなど、目上の人に聞くと貴重な情報が入ると思います。また、最も身近な「親や兄弟」は、より深くあなたを知っている人です。協力してもらいたいところです。気楽に質問できる友人にもぜひ聞いてみてください。聞く人が多ければ多いほど深い自己分析ができます。
「自己ピーアールを書きたいけれど、自分には人に言えるような強みはないので悩んでます。」と相談に来た学生がいました。話を聴いてみると、アルバイトも「流れ」で始めて、リーダーの経験もない。これといった実績もないので就活で伝えられる材料がないと思っているとのこと。私から見ると、自分のことを強気でアピールするのが苦手な「謙虚なタイプ」の学生というだけで、強みをたくさん持っていると感じました。すると相談者と同じ研究室の友人がたまたま通りかかり「あれ、就活相談してるの?」と話しかけてきたので、私が「ちょうどよかった。ねぇ、○○くんの良いところってどこだと思う?」とそのお友達に聞いてあげました。すると速攻で「そうですね、話しかけやすいところかな。オレ、いつも相談にのってもらってますから。」と回答がありました。それを聞いた本人は、とても恥ずかしそうでしたが、「言われてみれば、よく人から相談をされたり、わからないところを聞かれたリする。」と本人も納得。これは「人には自分では気づかない長所が必ずある」ということの実例です。その後「人から話しかけやすいとはどんな人なのか」を相談者と共に分析することにしました。結果、彼はいつも周囲に目をむけながら困った人を助けたり、相手に会わせた会話をすることを無意識でやっていたことに気づきました。社会人になれば仕事する環境においても、顧客との間においても、「話しかけやすい人」は重宝がられます。そういう人がいてくれると安心だったり業務が円滑むという利点があるからです。その後、就活でアピールできる立派な自己ピーアールが完成し、最終的にIT系の優良企業に就職を決めました。
効果的な質問する項目と、必ず聞いておくべきこと
必ずおさえたい質問の項目をあげておきます。ほかにもあなたが気になっていることがあれば付け足してどんどん質問してください。そして、大事なことは「なぜそう思ったのか」も質問してください。
■ + なぜそう思ったのか ■
すべての質問に対して「なぜそう思ったのか」を一緒に教えてもらってください。あなた自身について深めるために最も重要な情報です。
■質問の仕方■
「就職活動のために自分を客観的に知っておきたいので、ご協力をお願いできないでしょうか?」
■質問するおもな項目(参考)■
✔️ 私の長所と思うところはどんなところですか? + その理由は?
✔️ 私の短所と思うところはどんなところですか? + その理由は?
✔️ 私の印象はどうですか? + さらに詳しく
✔️ 私に向いていると思う業界や仕事は何だと思いますか? + その理由
✔ これまで私のことで印象に残っていることは何かありますか? + さらに詳しく
✔️ 改善したほうが良いと思うところ、どこかありますか? + さらに詳しく
✔️ 伸ばすと良いと思うところはありますか?どのようなところですか? + さらに詳しく
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他の人の力を借りることに抵抗がある人へ
「自分の就活に関して他の人の力を借りることに抵抗がある」という就活生がたまにいます。それに自分のことを誰かに聞くというのは恥ずかしいものでもあります。それは私も同感ですし、みんな同じ気持ちがあるでしょう。でも、自分についてを他人に聞いておくことは、自分の長所だけでなく、短所も知ることができるので、今後の自己成長にもつながる大切なことでもあります。
例えばこんな場面をイメージするとどうでしょう。混雑している電車の車内で、耳に装着しているイヤフォンから音漏れをしている人がいる。本人は周囲に迷惑をかけているつもりはないけれど、周囲はみんな迷惑だと感じて困っている。注意したくてもできなくて周りが我慢しているような状況です。そういうことたまにありますよね。このように、本人だけが気づかずに周囲に迷惑をかけ続けているような状況は誰でも起こし得ることです。
自分ではそんなこと思っていなかったり気づかないようなことは、できるだけ避けたいです。他人に客観的に自分のことを教えてもらい、聞いてショックを受けることもあるかもしないですが、それも自己発見であり成長のために必要なことと考えれば、他己理解はやっぱり社会人になる前に必ずやっておくべき貴重な過程だと思えるはずです。
まとめ
就活はひとりでなく周囲の人の力を借りることで自己理解が強固になり確実に内定は近づきます。
「就職活動のために自分を客観的に知っておきたいので、ご協力お願いします!!」このようにお願いすれば、あなたのその行動をきっと応援して協力くださることでしょう。今後の自己成長のためにも他人から聞く自分の評価や意見はとても大事です。勇気を出して進めてみてください。
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