こんにちは、就活アドバイザーSINOです。面接やエントリーシートで「これまでで一番辛かったこと」を聞かれることは多いですが、どう答えれば良いか迷う就活生は少なくありません。この質問には、企業がどのような意図で尋ねているかを理解して、適切に回答することが求められます。本記事では、その意図を理解し、効果的な回答をするためのポイントと例文を紹介します。
目次
「これまでで一番つらかったこと」質問攻略
一番苦しかったことはなんですか?
困難を乗り越えた経験を聞かせてください。
挫折した経験があれば教えてください。
就活の面接でよく聞かれるこの質問のされ方は様々ですが、すべて意図は同じです。採用面接の質問には必ず意図があります。
絶対に間違えてはいけないのは「あなたの辛い経験や苦労話を聞きたいわけではない」ということ。相手の意図をくみ取らずに「思い出ばなし」を語っているだけでは面接通過が難しくなるかもしれません。意図をきちんと汲み取って、的確に答えることが大事です。
「つらかった経験」を答えるポイントと注意点
「困難だったこと」「挫折経験」「つらかったこと」をエントリーシートに書いたり、面接で答える際には以下の点に注意しましょう。足りないところがあれば、いますぐに補ってください。これらのポイントを押さえることで、抜けがなく、具体的かつ説得力のある回答ができます。
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- 単なる苦労話にしない
- つらい経験をどのように工夫して乗り越えたか具体的なエピソードを伝える
- 起こった課題や問題、そしてそれによって生じた苦労も伝える
- 対処法を簡潔に述べる
- 乗り越えた結果どうなったのかも簡潔に伝える
- その経験から何を学び、その後どのように活かしているかで締める
質問の意図はなにか
面接官は、就活生にこの質問を投げ掛けながら『この人をウチ会社の社員にしたいか否か』というイメージをしています。新卒の学生は社会経験がなく、成果や実績もゼロです。だからこそ、新卒の採用では「人間性」や「志望の度合い」が重要な判断材料となります。
①どのようなことに対して「苦労(困難)」と感じる人なのかを知りたい
②どのようなことを「課題」ととらえ、それをどう乗り越えたのかを知りたい
③つらかった経験を、いまどのように生かしているのかを知りたい
面接官はこの質問から、応募者のストレス耐性や問題解決能力を探ります。社会に出れば困難や辛い経験をすることもあるでしょう。面接官は困難をバネに成長できる人材を採用したいと考えています。だから新卒採用では『人間性重視』なのです。
「つらかった経験」や「困難だったこと」の質問からストレス耐性や問題解決能力を探ることができます。「負担」「大変」「つらい」と感じたことの性質もわかりるので、面接官は、以下のような視点でも就活生を評価しています。
「この人は、工夫できる人なんだな。」
「この人は、課題に対してもしっかりと向き合って解決できる人だろう。」
企業は、社員が自主的に課題を解決して貢献できる人かどうかを重要視します。それは、おそらくどの企業も共通しています。だから、どの企業の面接でも同じような質問をされることが多いのです。
こういう答え方はNGです
【意図を理解していない回答例】
【学生】「私は◯◯◯◯◯にとても苦労しました。あーしたらこーなってしまって、そのあと、あーしてこーしたら、その結果こうなり、この経験で私は◯◯◯だということを学びました。以上です。」
苦労話をして、その結果、自分が学んだことを話して終わりというパターンです。面接官はきっとこう思うでしょう。
【面接官】「苦労したということは理解できたけど、質問の意図をきちんと理解していないな。」
この質問は「あなたの苦労話」を聞くための質問ではないですし、学んだことを聞かせてもらうために質問しているわけでもありません。
こういう答え方が◎です
魅力的な回答例
このように伝えれば、魅力的に回答できます。参考にしてください。
「私は◯◯◯◯◯にとても苦労しました。あーしたらこーなり、結果、こうなってしまってしまったことがあります。しかし、私は「こんなときこそ頑張らなくては」と考え、このように対処したり、このようにするなどして、結果、こうなりました。これが私の苦労した(困難だった)経験です。しかし、以来、私はこの経験を学びにしてこういうふうにしています。あの経験が、いまの私の成長につながったと思っています。
あなたの「つらかった経験」もう一度チェック!解説とコメント付き
- 単なる苦労話にしない
エントリーシートは「アンケート用紙」ではありません。つらい経験は、現在のあなたをPRするためのものと捉えましょう。「あなたのつらい経験は?」と聞かれて「彼女に振られた経験がこれまでで一番つらかった経験です。」と経験談のみ回答したという学生がいました。つらかったのはよくわかりますが、その後の学びを社会人としてどのように活かせるのか、ピーアールにつなげられる内容にするべきでしょう。
2.つらい経験をこうやって工夫して乗り越えた!という具体的エピソードで伝える
ES添削や面接回答を見ていると具体的なエピソードが長すぎる人が多いので気を付けて。
3.起こった課題や問題、そしてそれによって生じた苦労も伝える
長すぎないように簡潔に述べるようにしましょう。
4.対処法を簡潔に述べる
つらい気持ちをどう乗り越えたか、対策を述べるのもいいです。
5.乗り越えた結果どうなったのかも伝える
その結果、どうなったのかも簡潔に伝えましょう。
6.その経験から何を学び、その後どのように生かしているか
実は、ここが一番の重要なポイントです。面接官にとっては一番聞きたいところなのですが、就活生のESを添削しているとココまで書いていないで終了している人、面接練習でもココまで話さずに終了する人が多いです。最後まで話さず終わっても決して不可ではありませんが、魅力に欠けると面接官が感じたなら、ほかの学生が採用されてしまうかもしれません。なので、しっかり締めの部分まで伝えるようにしましょう。
回答例
「これまで一番つらかった経験を聞かせてください。」
最も困難だったことはアルバイトと学業の両立です。スーパーでアルバイトを続けているのですが、人手が足らず困っているため、週に4日以上シフトに入るように心がけていたところ、夢中になりすぎて学業が疎かになってしまいました。
このままでは留年の可能性があると考え、学業を優先するにはどうしたらよいか考えました。具体的にはテストの10日前からアルバイトの時間を短縮してもらえるように店長に相談し、大学に向かう電車やバスの中の時間も有効活用して勉強しました。その結果、単位を落とすことなく、アルバイト先に迷惑をかけることもなく、万全に整えられました。この経験からどのような困難も工夫次第でなんとかなること、そして目的を達成するために努力する大切さを学び、いまに活かしています。以上です。
質問に答えるときはエピソードよりも、どのように乗り越えたか、あなたの考えかたにポイントを置いて話すようにすると、面接官にとって印象深く映ります。面接官は応募してきた学生の人柄(人となり)を見ています。苦労したことも、結局は「自己PR」です。あなたの良いところを、この質問の回答でアピールして、あなたのことを知ってもらうチャンスにしましょう。
最後に
「これまでで一番辛かったこと」という質問は、就活の面接でテッパン質問の一つです。適切に回答するには面接官の意図を理解し、具体的なエピソードとともに自分の成長を伝えることが重要になります。この記事で紹介したポイントと例文を参考にして、あなたの経験をしっかりと整理して、自信を持って回答できるように準備してください。
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