こんにちは。就活アドバイザーのSINOです。私はこれまで多くの就活生のエントリーシート(ES)添削や面接対策をサポートしてきましたが、その中で気づくのは、多くの学生が「自己PR」と「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」をまったく別々の意図を持つ質問と思い込んでいることです。ですが、実はこの2つの質問は両方ともあなたの強みをアピールする場だということをご存じでしょうか?
ほとんどの学生が、この着眼点に気づかないために、せっかく強みアピールする場なのにも関わらずそれを十分に発揮することができていません。でも、これからお伝えするポイントを理解することでエントリーシートの内容や面接での回答が見違えるほど魅力的に改善されるはずです。
「えっ、ガクチカも自己PRなの?」と驚くかもしれませんが、この違いを理解して就活準備を行えばあなたの魅力がパワーアップして面接官へ届くようになるはずです。
目次
「ガクチカ」と「自己PR」は本質的に同じ質問
●「自己PRをしてください」
※同様の質問に「アピールポイントは何ですか」「セールスポイントはなんですか?」「誰にも負けない強みはありますか」など
●「学生時代に力を入れたことは何ですか?」
※そこから学んだことは何ですか?も含まれた質問です
多くの人は「自己PR」と「学生時代に力を入れたこと」を別々の質問と捉えがちです。
でも、実は企業がこの2つの質問で本当に知りたいことは、あなたがどんな強みを持っていて、それをどのように活かしてきたか、それを社会で活かせるかということ。
つまり、両方ともあなたの強みを企業にアピールする場と捉える必要があります。
たとえば、「自己PRをしてください」という質問は、あなたが持っている強みを直接尋ねるものです。一方、「学生時代に頑張ったことは何ですか?」という質問は、大学生活の中でどのような行動を通じて成長し、その結果何を得たのかを具体的に問うものです。
この2つの質問は表現こそ違いますが、求めているものは同じ。
さらに、ここで理解してほしいのは、自分をピーアールするうえで2種類の強みを用意しておく必要があるということ。ここ、ポイントです。
2種類の強みを用意することが鍵
ここでお伝えしたい「2種類の強み」とは、例えば「コミュニケーション力」と「忍耐力」といった異なるスキルのことではありません。1つは幼少期や高校時代から持っている強み、もう1つは大学生活を通じて新たに養われた強みを指しています。この2つの強みをバランスよくアピールすることが、あなたの成長や適応力を企業に伝えるカギとなります。
1. 昔から持っている強み
高校時代までに培った強みは、あなたがもともと持っている資質や能力を証明します。たとえば、部活動や学校でのリーダーシップ、困難を乗り越えた経験などがこれに当たります。この強みは、あなたの基盤となる部分であり、企業が「すでに持っている能力」を見極めるポイントになります。
2.大学生活で養った強み
大学時代に得た新しい強みも非常に重要です。アルバイトやサークル、ゼミ活動で新たに身につけたスキルや、経験から得た成長は、企業が「今後どのように活躍するか」を判断する材料となります。大学生活を通じて得たものは、まだ完全に発揮しきれていない可能性がある強みで、企業にとっては将来の可能性を見込んだ投資と捉えられます。
「自己PRをお願いします」で大学時代の強みを述べても良いのか?
ここで気になるのが、「じゃあ、自己PRで大学時代に養った強みを述べてはいけないの?」という疑問があると思います。その答えは「NO」。そんなことはありません。
大学時代に得た強みをアピールしても、全く問題ないです。特に新卒採用では、大学生活で培った経験が中心になることが多いので、それを活かしたアピールは非常に有効です。重要なことは、その強みをどれだけ具体的に証明できるかです。エピソードを通じて、しっかりと強みが発揮された瞬間を伝えられれば、十分に説得力を持つ自己PRになるので安心してください。
ただし、自己PRでは「昔から持っている強み」を活かすことで、よりバランスの良いアピールが可能です。昔からの強みと大学時代の強みの両方をうまく組み合わせることで、あなたの成長を一貫して伝えることができ、企業に対して強い印象を残すことができます。
2つの質問にどのように答えると効果的か「自己PR」と「ガクチカ」
- 「自己PRを述べてください。」
「自己PR」では、あなたが持っている基礎的な強みをアピールするのが効果的です。幼い頃からずっと取り組んできたことや考え方、高校時代からの経験や、すでに実績として証明されている強みを中心に述べても良いと思います。それを現在の大学時代でも活かしながら、何かに取り組んでいるという流れで話を進めると、魅力的な内容になります。
企業が求める資質にあなたがマッチしていることを示しましょう。ただし、先ほど述べたように、大学時代の経験で得た強みを述べてもOKです。さらにそれが実績に裏打ちされた強みであれば、なおさらアピールポイントになると思います。 - 「学生時代に力を入れて取り組んだことは何ですか?」
こちらの質問では、大学生活で得た新しい強みを中心にアピールしましょう。アルバイトやインターンシップ、ゼミ活動での経験で養った考え方(価値観)や能力などが、社会人になってからどのように仕事に活かせるかを示すように話を進めていきましょう。この際、困難をどのような気持ちで越えたのかなど、心の内を伝えることや、具体的な成果や数字なども交えて伝えることで、説得力が格段に増します。
文章構成のポイント
自己PRや学生時代の経験を述べる際は、次の構成で書くとスムーズです。
- 結論(キャッチコピー)
あなたの強みを端的に示します。
例:「私の強みは粘り強さです。」 - エピソードで証明
その強みがどのように活かされたか、具体的なエピソードで説明します。
例:「部活動で毎日の練習を欠かさず続けた結果、チームの中心選手になりました。」 - 結果と意気込み
その経験があなたに何をもたらし、今後どのようにその強みを活かしていきたいかを示します。
例:「この粘り強さを活かし、御社の目標達成に貢献いたします。」
最後に
自己PRやガクチカ(学生時代に頑張ったこと)においては、「昔から持っていた強み」と「大学生活で養った強み」の両方をアピールできるように準備をしておくこと。これは大事な就活成功のためのカギです。あなたの持つ2つの武器を使い分けて、強みをバランスよく伝えることで、企業に対してより深い印象を与えるのです。「えっ!ガクチカも自己PRなの?」と驚くかもしれませんが、ガクチカも自分をピーアールする場であると捉えていない人は、「頑張った出来事」を話して終わりになってしまって不採用になり兼ねません。「自己PR」と「ガクチカ」、この2つの質問を同じ土俵で捉えることで、準備もぐっと楽になり、面接の場でも自信を持ってアピールできるはずです。まずは、自分の強みを整理して、それぞれの場面でどう活かしていくかを考えてみましょう。
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