こんにちは。就活アドバイザーのSINOです。 「企業研究」 は内定を取れるか否かのキモです。それなのに、「企業研究が苦手です」 という就活生が意外に多くて、企業のどこを見れば良いのかわからない、調べたけれどその先がわからないのでそのまま就活を続けてしまってるなど、「企業研究」に関する悩みをぶつけてくる学生が多いのです。学生にとってみれば、企業を理解するということ自体、社会人が想像する以上に難しいことであるにもかかわらず、そういうことをわかりやすく具体的に教えてくれる場所やツールがないのですから無理もありません。ですので、現役のアドバイザーをしている私の方法をできるだけ詳細に、わかりやすく解説を行って、結果に直結するほどの深い企業研究のノウハウを教えます。ここに書かれている内容を理解して、あなたが志望する企業の研究を進めていけば、企業と自分との相性を見極めることもできます。面接で手ごたえも感じるようになります。企業研究はやるべきことが多いため「前編」と「後編」に分けました。併せて読んでください。
目次
企業研究に就活ノートは必須
企業研究は単に企業について理解しているというだけでは足らず「その企業だからこそ入社したい」という本気の想いを採用側に伝えるためのネタを収集しなければなりません。
なぜその企業で働きたいのか、企業が求める人材としていかに自分がマッチングしているか、そういったことを企業の採用人事に訴えるための材料集めが目的です。
そのために就活ノートは必須になります。頭で理解して考えたことを、常に文字化にして書き留めておくことがとても重要です。スマホに入力をしたりPCを開いて書き留めるのがクセになっている就活生がよくいますが、就職活動ではそれは辞めたほうが無難です。ノートに書き残すようにしてください。手書きすることで情報が頭に深く定着します。また、自分の考えや気づきを書き足したりして、整理することも簡単です。なにより、面接や会社説明会の会場でノートを開き、必要な情報をすぐに確認できることや、書き加えられるというメリットがあります。スマホに入力している学生は、企業の人事側から見ると、メールを打ち込んでいるようにも見える危険性があります。注意が必要です。
まずは企業について理解を深める
着眼ポイント
1)企業のミッション・ビジョン・価値観
企業の公式サイトにある「会社概要」や「企業理念」、「ビジョン」などを確認してください。ここには企業が目指す方向性や、価値観が記載されています。あなたが持っている価値観や目標と一致しているでしょうか。そのような観点で確認することが大事です。
2)事業内容・商品・サービス
企業が提供している商品やサービスがどのようなものなのか、各事業部がそれぞれどのような顧客層に向けてサービスを提供しているのかを調べて理解しましょう。ここで注意して欲しいのは、ひとつの事業部だけに着眼しすぎないことです。たとえば、その企業には5つの事業部がありながら、あなたが興味を持っているのは〇〇事業だからその事業部だけを調べて終わりというのではなく、すべての事業部について把握する必要があるということです。さらに企業が何を重視しているのか、そして自分がどのように貢献できるのかを考えてみましょう。
3)市場のポジションと競合を分析
企業が属する業界でのポジションや、競合他社との違いを把握します。業界レポートや、ニュース記事、社長インタビュー記事などをネット検索して探して、読んでみると参考になります。企業が直面している機会や課題について、あなたなりの考えをまとめてください。
4)企業の財務状況を知る
『上場企業』の場合は四季報や財務諸表を確認して、売上高や利益率、成長性などをチェックします。企業の安定性や成長性を見極めることができます。
『上場していない企業』の場合は、まず基本的な情報源から始めることをおすすめします。公式サイトの「会社概要」や「沿革」から売上高や従業員数などが掲載されていないか確認してください。また、企業のSNSやニュース記事を検索して、業績や事業展開に関する情報がないか調べてみましょう。直接的な財務情報が得られなくても、ある程度把握することができれば、志望動機や自己PRに役立てることができます。
得られる情報からまずは始めて、説明会や面接の場で質問するなどながら、徐々に情報を深めていくというアプローチ方法は、就活において効果的です。
5)企業文化や働き方の理解
企業の働き方や社風についての情報は、採用ページや口コミサイト、OB・OG訪問などを通じて得ることができます。自分がその企業で働く姿をできるだけ具体的にイメージできるかどうか。具体的にイメージできるまで、企業研究を重ねてください。
口コミサイトの情報ですが、口コミサイトは主観的な意見が多く含まれているため、必ずしも全てが正確な情報とは限りません。あくまでもひとつの参考意見として捉えて、他の情報源と組み合わせて総合的に判断しましょう。
企業文化や働き方は人によって感じ方が異なりますので、ネガティブな口コミだけに引っ張られずに、ポジティブな意見や中立的な情報も含め、総合的に見たうえで、あなたなりの判断をしてください。
企業文化や働き方について得たすべての情報を整理して、最終的にあなた自身がどのような環境で働きたいのかを考える機会にしましょう。自分がその企業でどのように成長できるか、どんな働き方ができるかを具体的にイメージすること。あなたにとって「より良い企業」を選ぶ目が肥えてきます。
6)最近のニュースやプレスリリースをチェック
企業の最新の動向を知っておきましょう。企業の公式ホームページに「ニュース記事」や「プレスリリース」といったセクションが設けられている場合は確認しておくこと。
新製品の発表、合併や買収、新規プロジェクトなどの情報は、企業が今後どのように展開していくのかを知るための手がかりになります。また、企業のSNSに登録すれば最情報を入手できるというケースもあるようなのでチェックしておきましょう。
7)企業の規模(資本金・従業員)を確認する
企業の資本金や従業員数は、企業の規模や成長力を把握するための重要な指標です。しかし、大企業が必ずしも「良い企業」ではなく、小規模な企業にも多くの魅力があります。そこで、自分に合った企業の規模を見極めるためのポイントをお伝えします。
■大企業の特徴
資本金が多く、従業員数が多い企業は一般的に組織として安定しており、福利厚生や研修制度などが充実していることが多いです。組織が大きいぶん役割分担が明確なため、安定した環境で専門性を深めたい人や、キャリアアップの機会を求める人に向いているかもしれません。
■中小企業の特徴
一方で、従業員数が少ない中小企業やベンチャー企業では、組織全体の規模が小さいぶん、ひとりの役割が多岐にわたることが一般的です。業務範囲が広く、責任を任される機会が多いため、若いうちから多様な経験を積みたい、成長したいという人に向いていると思います。成長中の企業であれば、事業の拡大に貢献できる機会も多く、企業の変化を間近で感じられるところも魅力です。ただし、制度やサポートが整っていない場合もあるため、柔軟性が求められるかもしれません。
企業の規模によって求められる働き方やスキルが異なるため、自分がどのような環境で成長できるのかをよく考えること。「安定した環境で長期的なキャリアを築きたい」のか、「早くから責任ある仕事にチャレンジして成長したい」のか、自分の強みや理想とする働き方のスタイルをよく考えてみること。そして、それに合う企業なのかを見てください。
8)採用情報を確認する
採用情報を詳しく確認しましょう。求められる「スキル」や「経験」、「募集職種の仕事内容」をしっかり理解してください。その企業の求人職種の中で、あなたがいちばんベストパフォーマンスを発揮できるのはどの「職種」だと思いますか? 自分がその職種で働く姿をできるだけ具体的にイメージしながら、「それは何故なのか?」自分に問いかけてください。
9)社会的責任(CSR)活動をチェックする
企業が行っている社会貢献活動や環境への取り組みをチェックしましょう。企業の社会的責任感や持続可能な発展への意識を理解しておくことによって、この企業が単に利益を追求するだけではなくて社会全体にどのような影響を与えたいと考えているのかを知る手がかりとなります。さらに、企業の価値観や文化が「あなたの考えと一致しているか」を確認することができます。
また、社会貢献に積極的な企業は倫理的で信頼性が高いことが多いため、長期的な視点で見て、安定した成長が期待できるかもしれません。
情報収集の手段
- 企業の公式ウェブサイト
- 四季報や企業レポート(とくに上場企業に有効)
- 業界レポート・ニュースサイト(日経新聞や業界の専門誌やサイトなどを活用して業界のトレンドや最新ニュースをチェック)
- OB・OG訪問 (実際に働いている人の話を聞くことはリアル情報を知ることができるため貴重)
- 企業のSNSやブログ (公式サイトにはない情報が含まれている可能性)
最後に
企業研究は単なる情報収集作業ではなく、自分がその企業で働く姿を具体的にイメージし、自分がどのように貢献できるかを明確にするためのプロセスです。この【前偏】でご紹介した方法を活用して、まずは企業について具体的に理解してください。これだけでも他の就活生と差をだいぶつけることができると思います。しかし、じつは企業研究でいちばん大事なのは、その情報をもとに「考える」ことです。自分の価値観や目標に、その企業のビジョンや文化がどう一致しているのか、どのように貢献できるのか、を深く考えることが次のステップになり、最も重要です。
【後編】では、「考えてみる」部分に焦点を当てて、さらに深く企業研究を掘り下げていきます。就活生がいちばん苦手とするところであり、抜けがちなところでもあるので、必見です。
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